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【那智大社】ずっと行きたかった世界遺産の那智大社や那智の滝にバスに乗って行ってきた

2022年11月17日

 こんにちは、ぷんたろうです。今回の記事では、JR紀伊勝浦駅から路線バスに乗って、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されている那智大社や那智の滝に出かけてきたときのことを書きます。那智山に登る熊野古道も少し歩いたので、その様子も併せて、レポートしますよー!

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那智大社に行くためのバス

 那智大社方面には、路線バスが出ています。乗り場はJR紀伊勝浦駅の東口ロータリーで、31系統那智山行きというバスです。整理券制の後ろ乗り降車時支払いのバスで、SuicaやICOCAなどの交通系ICカードは非対応でした。那智山に行くこの31系統のバスはJR紀伊勝浦駅を始発点として、途中JR那智駅(紀伊勝浦駅と新宮駅の間の5駅のうちのひとつ)も経由するので、例えばJR新宮駅周辺で宿泊する予定の人は、わざわざJR紀伊勝浦駅まで足を運ばなくてもOKです。

JR紀伊勝浦駅東口ロータリー
31系統那智山行きのバス
JR紀伊勝浦駅発の31系統バスの時刻表

 なお、この紀伊勝浦エリアですが、電車よりもバスの方が本数が多くて便利なので、運賃は少々お高くなりますが、那智駅と新宮駅を移動するような場合でも、バスの方が早かったりしますよ。

時刻表や運賃などの最新情報はこちら(熊野御坊南海バスのページへリンクします)

まずは大門坂で下車

 さて、JR紀伊勝浦駅を出発したバスは、JR那智駅を経由して、那智山方面へと登っていきます。当初僕は、バスでそのまま那智大社まで行ってしまおうと思っていたのですが、前日に泊まった宿に置かれていたチラシを見て、大門坂というバス停で降りれば、大門坂から熊野古道を歩けることが分かったので、予定を変更して、大門坂から歩いて那智大社を目指すことにしました。

 こちらが大門坂バス停の前です。JR紀伊勝浦駅からは430円、JR那智駅からは350円です。バス停の前には和歌山県土砂災害啓発センターなるものがあって、駐車場も広々、公衆トイレもありました。ここに自家用車やレンタカーを置いて、熊野古道大門坂を歩いて那智大社に行くって人も多いのではないでしょうか。

大門坂バス停(下山側)周辺の景色
大門坂バス停前の駐車場
(黄色いバスの後ろの建物が土砂災害啓発センター)

大門坂から熊野古道へ

 JR紀伊勝浦駅や那智駅から乗ってきたバスを大門坂バス停で降りてバスの進行方向と同じ方向に少し歩くと、熊野古道の大門坂の入口が見えてきます。こんな大きな石碑が置いてあるのですぐお分かりいただけると思います。ここから大門坂をひたすら歩いていくと、やがて那智大社の参道にたどり着くわけです。

大門坂の入り口

 大門坂の入り口を入って少し進むと、鳥居や赤い小さな橋があって、それらを越えて進んでいくと見えてくるのは夫婦杉。熊野古道を歩く人を迎えてくれます。僕が訪れたのは8月の最初の週だったのですが、やはり夏だけあって、木々が青々として、暑かったけどとても気持ちよかったです。

鳥居に赤い橋
夫婦杉

 で、夫婦杉に迎えてもらって、いよいよ本格的に熊野古道大門坂を歩いていくわけですが…すげえ急坂です、ええ。写真じゃ伝わりませんけど、とにかくすげえ登り坂。そして足元の石段は苔で大変滑りやすいコンディションです。ですので、是非、いく前には軽くトレーニングをしておくのと、滑りにくい靴を用意しておくことをお勧めします。普段運動不足な僕はゼエハアしてしまいました。そして何より、決して急がずに、一段ずつ確実に上がるようにしましょう。急ぐときっと滑ってケガをします。

石畳が敷かれた大門坂(苔に注意!)

僕のペースで歩いて約25分で那智大社の参道入り口へ

 さて、ヒイヒイいいながら約25分かけて大門坂の急坂を登り、やってきました、参道の入り口…の下。石畳の坂を登ってくるとまずちょっとした広場に出てきます。こんな看板があって、大門坂の謂れが書かれています。

 この広場を右奥に行くと頭上にそびえる建物(那智山観光センター)の下に、コンクリートの道があって、これを上がってくると、那智山観光センターの横に上がって来れます。下の写真のような景色ですね。JR紀伊勝浦駅や那智駅から乗ってきたバスはこの観光センターの裏の駐車場にある那智山バス停に到着し、ここが終点として折り返し山を降っていきます。

広場の右奥に来るとこんな道がある(また階段が…!)
広場から上がってくると那智山観光センター横に出る
那智山観光センターと反対方向を向いたの図

 さあいよいよ那智大社だ、と思うのはまだちょっと早いですよ、そこのアナタ。ここまで大門坂を上がってきたのはまだ準備運動です。ここがやっとこさ参道入り口です!ここからからまたさらに階段を登っていかなければならないですからね!

那智大社参道入り口(また階段!)

那智大社へ向け参道をあがる

 さあ、ここまで散々坂道を上がってきてだいぶ疲労困憊なわけですが、参道入り口から今度は階段が続きます。すげえ急です。大事なことなのでもう一度言います。すげえ急です。しかし那智大社に上がるには、他に方法がないので、頑張って上がりましょう。

 階段を上がる途中はもはやそれどころではなかったので、写真を撮っていないのですが、ひたすら階段を上がって、那智大社のすぐ下まで来ました。最後の最後にこの急峻な階段です。笑っちゃいますね。

那智大社の一の鳥居
一の鳥居をくぐった先のまた急な階段
そして拝殿に上がる最後の階段

那智大社

 さあ、そんな大変な思いをしながら階段を登ってきたら…いよいよです。念願の那智大社に到着です。坂道と階段を上がってきた甲斐があったー!

階段を上がって二の鳥居
那智大社拝殿

 暑い中歩いて上がってきたので、すごく疲れましたが、この鮮やかな朱色を見て、「あー那智大社に来たんだなー」と達成感が湧いてきました。たぶんバスでふもとまで来てたら、そんなでもなかったと思います。大門坂から歩いてきて正解でした。

 ちなみに、那智山信仰について簡単に解説しておくと、神武天皇が那智の滝を神として崇めたのが始まりで、那智大社は317年にこの地に建立されたそうです。日本の最初の女神である伊弉冉尊(いざなみのみこと)を主神としてお祀りしており、全国に4千社以上ある熊野神社の本社である熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、那智大社)の一社であって、日本に仏教が伝わって神仏習合が進むと、熊野権現として崇められるようになり、平安中期頃より上皇が、やがて武将や庶民までもが参詣するようになったそうです。

青岸渡寺

 さて、那智大社への参拝を済ませたら、拝殿右奥へと進みます。ここには、併せて世界遺産登録されている青岸渡寺というお寺があります。神社のすぐお隣にお寺。神様と仏様が並んでいます。もともとは那智の滝を中心とした神仏習合の一大修験道場でしたが、明治時代に入って神仏分離の考えにより分離されたそうです。御本尊は如意輪観世温菩薩です。今の本堂は1590年に豊臣秀吉が再建したものだそうですよ。那智大社は神社ですが、こちらはお寺ですから、お参りの際は静かに合掌ですね。

那智大社と並ぶ青岸渡寺の本堂

 青岸渡寺へのお参りを済ませたら、本堂右手に進んでみましょう。ここには那智の滝と三重塔を望める展望台のような場所があり、いい感じの写真が取れます。

青岸渡寺から望む那智の滝と三重塔

青岸渡寺三重塔

 青岸渡寺への参拝を済ませたら、青岸渡寺裏手にある道を進んでみましょう。三重塔へと下っていける道です。

三重塔へと続く道

 三重塔は、朱色で塗られているので、那智大社の一部分かと思いがちですが、青岸渡寺の三重塔だそうです。確かに神社には塔ってないよなぁ…。1581年に一度焼失してしまったそうで、現在の塔は1972年に再建されたものだそうです。1階に不動明王、2階に阿弥陀如来、3階には飛瀧権現本地千手観音が祀られています。入館料は300円で、中にはエレベーターもあります。塔からは天気が良ければ太平洋を望むこともでき、逆に、海からも那智の滝を望むこともできるんだそうです。

青岸渡寺の三重塔と那智の滝

那智の滝

 三重塔を後にしていよいよ那智の滝へと向かいたいと思います。車道を下っていくと道が舗装されていて歩きやすそうですが、青岸渡寺の駐車場に向かう車が通ることもあるので、なるべく歩行者用の道を歩きましょう。舗装はされていなくて、石畳だったり石段だったり、しかも下りなので、これまた足にきますが…そんなこんなで歩行者用の道を下りてくると、那智の滝の前の駐車場&バス停に出ます。ここ、結構車の出入りと交通量が多いので、歩くときは気をつけてくださいね。

那智の滝の前の駐車場

 那智の滝に下りる道の入り口には大きな鳥居があります。

那智の滝への入り口

 この鳥居をくぐると、また長くて急な石段が続きます。ここも大門坂と同様、スリップ注意です。手すりが設置されているので、足腰に不安のある方は、手すりを掴みながらゆっくり確実に下っていきましょう。

 長い石段を下るとそこに待ち構えるのが那智の滝です。ずっと来たい、見てみたいと思っていた那智の滝。やっと来ることができました!

那智の滝
ちょっと後ろから那智の滝(なんかややピンぼけ?)

 ちなみに那智の滝の落差は133mで、富山県の称名滝(しょうみょうだき)と並んで日本一の落差を誇ります!

那智山観光センターへ戻る

 那智大社、青岸渡寺、那智の滝への参拝を済ませたぷんたろうは、そのまま那智の滝の前からバスに乗り、那智山を下ることもできたのですが、バスの時間が微妙だったのと、やっぱり鳥居をくぐって那智大社に足を踏み入れたのだから鳥居をくぐって那智大社を後にしたいという思いからですね、那智の滝から来た道を戻って那智大社まで再度登って、すぐに参道を下るという、謎にハードな行動に出ました。

 まずは、そう、那智の滝から長い石段を上がり…

那智の滝を後にし石段を上がる

 次いで那智の滝の駐車場前から歩行者用の道を三重塔まで上がり…

那智の滝前の駐車場から歩行者用通路を上がる
三重塔へと戻る歩行者用の道の石段(険しい)

 汗だくになりつつ途中の青々とした山々と真っ青な空に思わず写真を撮り…

山と空のコントラストがキレイ

 やっとこさ青岸渡寺まで戻ってきて…

青岸渡寺(復路)

 那智大社の拝殿の脇にある楠の胎内くぐりは、一人でやるのはちと憚られるので遠慮して…

楠の胎内くぐり

 最後にもう一枚、色鮮やかな那智大社拝殿の写真を撮り…

那智大社拝殿を別角度から

 鳥居をくぐって境内に失礼しましたと頭を下げ、下山中、参道脇にいた鹿にビビりつつ…

鹿さんたくさん

 で、那智山観光センターのバス停に戻って来れましたとさ。那智山観光センターの裏手に駐車場があって、バス停もここにあります。JR紀伊勝浦駅と那智山を結ぶバスはここが終点であり折り返し始発点です。

那智山観光センターのバス停

 那智大社参道入り口は、下の写真の奥の方に微かに写る黒い車の向かい側あたりですね。ずーっと上の方に貼った大門坂から上がってきた時の写真はちょうど、下の写真に写るおじさんの辺りで撮ったものです。

バス停から参道入り口方面を見るの図

 下りのバスの時刻表も載せておきますね。

那智山発のバス時刻表

補陀洛山寺と熊野三所大神社

 さて、那智大社への参拝を終えて、帰りはバスをJR那智駅で降りました。那智山からの運賃は490円です。なぜ那智駅で降りたのかというと、那智駅でバスを乗り換えて新宮駅に向かい、さらに、新宮駅でまたバスを乗り換え次なる目的地、湯の峰温泉に向かいたかったからです。

 那智駅で乗り換えのバスを待つ間、もう一つ忘れてはいけない世界遺産、補陀洛山寺と熊野三所大神社にもちょこっとお参りしてきました。言われなきゃ通り過ぎてしまうであろう小さなお寺と神社ですが、ここも立派な世界遺産です。

 補陀洛山寺と熊野三所大神社。那智大社と青岸渡寺のようにぴったり並んでいるこのお寺と神社もまた明治の神仏分離までは一体のものとして信仰されてきました。熊野三所大神社には熊野三所権現(熊野夫須美大神、御子速玉大神、家都御子大神)つまり伊弉冉尊(いざなみのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が祀られており、補陀洛山寺は天台宗の寺院で、南海の彼方にあると信じられていた観音浄土を生きながらにして目指す「補陀落渡海」の出発点だったことで有名だそうです。

 JR那智駅からはほど近く、下の写真は駅のロータリー前の信号を撮っているのですが、この信号を渡ってまっすぐ進むだけです。

JR那智駅前の信号
熊野三所大神社の鳥居
熊野三所大神社本殿
補陀洛山寺(写真右奥に熊野三所大神社が並んでいる)

 下の写真は、補陀落渡海に使われた船を再現したものだそうです。僧侶が生きたままこの船に乗り込み、南海の彼方にあると信じられていた観音浄土を目指していたのだそう。868年から1722年までの間、20回以上の補陀落渡海があったと、補陀洛山寺の中庭にある石碑に列記されているようですが、最後の数回は、僧侶が亡くなってから遺体を載せて行われていたみたいですね。

補陀落渡海船

 ところで、僧侶が乗る船に鳥居が設けられていて不思議な気もしますが、これもまた神仏習合の熊野信仰の神仏習合の性質を反映したものなんだそうです。

まとめましょうか

 長いことだらだらと書いてきましたがいかがでしたでしょうか。簡単に重要ポイントだけまとめると、

  • 路線バスはJR紀伊勝浦駅またはJR那智駅から31系統のバスに乗る
  • 大門坂バス停で降りれば、大変だけど熊野古道を歩ける
  • 熊野古道はちょっといいやという方は終点の那智山までバスで
  • 那智大社への参道は階段が長くてきつい
  • 那智の滝への石段も長くてきつい
  • でも訪れる価値は充分にある
  • JR那智駅すぐ近くの世界遺産である熊野三所大神社と補陀洛山寺もお忘れなく

 那智大社や那智の滝はパワースポットとしても有名ですし、歴史の深い世界遺産、とても神秘的でした。僕も重い腰を上げて行ってみた甲斐がありました。ぜひみなさんも訪れてみてください。その時には僕のこの記事が参考になれば嬉しいですね。ちょっと山がきついなという方は僕のこの記事で少しでも行った気になってもらえたら嬉しいです。うひひ。

 また次の記事で!次回は湯の峰温泉に向かいます!

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